2020年に入ってリディアード式という言葉を耳にすることが多くなりました。果たしてリディアード式とはどんなトレーニングなのでしょうか?概要編・トレーニング前編/中編/後編・補足編に分けてお伝えしていきます!
アーサー・リディアード氏とは?
このトレーニングの生みの親であるリディアード氏の経歴についてまとめてみました。ご参考まで。
これ以降は、リディアード氏と師弟関係にあった橋爪伸也著「リディアードのランニング・トレーニング」を参考にまとめていきます。
トレーニングの基本コンセプト
ここでは具体的なメニューではなく、トレーニングを組み立てる上でどういう考えを大事にするべきかということに触れていきます。
トレーニングの基本コンセプトとしては、次の5つを大事にしています。
個々の細かな内容についてはトレーニング編でご紹介します。
ここで重要なのは、このコンセプトに沿って全てが構成されているということです。
彼らが特に指摘しているのは、強調しているのは数字ではなく個々の反応・感覚に応じて調整するということです。
本書によるとリディアード式が世に広まった時「週に100マイル(160km)」という言葉が一人歩きして本質が全く伝わらなかったそうです。この点は本書の中で何度も繰り返されます。
このコンセプトを頭に入れながらトレーニング内容を自分なりに最適化していくことが大事ということですね!
トレーニング全体の流れ
続いてトレーニング全体の流れについてみてみます!
トレーニングはこの図の下から順に進めていきます。
これらはあなたも目にしたことがある言葉ではないでしょうか。しかし、重要なことはトレーニングの内容を知っているということではありません。
これらのトレーニングをいつ・どれくらいの期間実施するのか、これら種類の違うトレーニングをどんな割合で組み合わせてピークに持っていくかということです。
リディアード氏はこれについてこんな言葉を残しているそうです。
(料理のための)材料は誰でも知っている。それを正しいバランスでどんなタイミングで混ぜて調理するかという「レシピ」を知っている人はほとんどいない。
リディアードのランニング・トレーニング (ベースボール・マガジン社) P51より引用
ごもっともですね。。。トレーニング全体の流れとそれらの実施期間、組み合わせが重要であることがわかりましたね!
重要な3つの要素の生理学的な理解
概要編の最後に、リディアード式トレーニング内容を理解する上で重要な有酸素能力・無酸素能力・スピードについて共通の認識を作っておきましょう!
これらの能力とランニング能力がどう関わるのかについては次の図を参考にしてください。
ランニングのペースをあげると疲労物質である乳酸が急激に溜まり始めるポイントがあり、乳酸作業性閾値と呼ばれています。LTペースと呼ばれるポイントです。
これより遅いペースは有酸素運動、速いペースは無酸素運動の比率が高くなります。
有酸素能力が向上すると、LTペースが右にシフトしてより速いペースでも有酸素運動が可能になります。
無酸素能力が向上すると、呼吸が乱れるペースの持続力が向上します。
最後にリディアード式の中で誤解されやすいポイントとして、スピードトレーニングという言葉があります。
先にあげたとおり、リディアード式ではスピードは純粋な「速さ」を表します。よくインターバルトレーニングのことをスピードトレーニングと呼びますが、ここでは違うので注意してください。
インターバルトレーニング=無酸素トレーニング
レペティション(全力ダッシュ)=スピードトレーニング
です。
概要編のまとめ
これで概要はつかめましたね!次回以降では具体的なトレーニング内容について紹介していきます!
それでは、良いランニングライフを!