学び:プライオメトリックスの原理と効果

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プライオメトリックスって聞いたことあったのですが、内容について正確に理解していなかったので調べてみました。

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リディアード式ヒル・トレーニングはプライオメトリックス

最近、ヒル・トレーニングをはじめましたが、探り探りなんです。。。

2020年6月末からリディアード式トレーニングを実施しています。

8月でちょうど10週間の有酸素トレーニング期が終わり、ヒル・トレーニングに移行しました。

ヒル・トレーニングの目的はスピードトレーニングに向けた脚づくりです。

この期に習得したいのは下記の2点です。

  • 脚筋力
  • 脚の可動域 (適切なフォーム)

実際にこれらを意識しつつトレーニングを始めましたが、

これって正しくできているのか?

と思ってしまいました。

動作は動画で確認できますが、どういう状態になったら効果が得られているのかが理解できていないことに気づきました。

リディアードのランニング・トレーニング(ベースボール・マガジン社)を読み直していると下記のような記述がありました。

ランニングに最も効果的なプライオメトリックス運動がヒル・トレーニングです。

リディアードのランニング・トレーニング(ベースボール・マガジン社) P120より引用

ヒル・トレーニングはプライオメトリックス運動という位置付けで取り入れられていました!

ということで「プライオメトリックスの原理を理解すれば、この問題が解決するだろう」と勉強してみました。

プライオメトリックスとは?

それでは一緒に学んでいきましょう。

特定非営利活動法人NSCA(National Strength and Conditioning Association)ジャパンのHPで公開されているプライオメトリックスに関する記事によれば、下記のような運動を指します。

プライオメトリックスとは?
  • 筋の弾性と伸張-短縮サイクル(SSC)を利用する運動
  • パワーのスピード面を重点的に鍛えるために利用される

伸長-短縮サイクル(SSC)とは何かが分かれば理解できそうですね。

SSCは筋肉の収縮の仕方について説明した用語です。

伸張-短縮サイクルとは?

筋肉が伸びる伸張性筋活動の後に、筋肉が縮む短縮性筋活動が起きること。

短縮性筋活動の前に伸張性筋活動が加わると縮性筋活動の力・スピード・出力が増大

要は反動をつけると大きな力が出る仕組みのようです。

さらに細かく見ると、筋の弾性と筋紡錘の弾性の2つが関係するようですが、ここまでの理解で十分と思われます。

プライオメトリックで得られる効果は?

プライオメトリックスはどんな効果を目的として行うトレーニングなのでしょうか?

同様にNSCAジャパンのプライオメトリックスに関する声明やプライオメトリックスに関する論文によると下記のような効果が得られるようです。

プライオメトリックスにより得られる効果
  • 瞬発力(パワーのスピード面)の向上
  • 筋力の向上
  • ランニングエコノミーの改善

反射を利用した効率的な筋収縮を体得することが重要となります。

プライオ動作を行うときはSSCによるパワーの発揮を意識することでより効果が得られます。

プライオメトリックスの負荷設定はどうする?(ヒルトレ目線)

プライオメトリックスは高負荷トレーニングなので、どのくらいの強度で設定するかは重要なポイントです。今回はあくまでヒル・トレーニング目線で見ていきます。

通常、プライオメトリックスは下記の要素により強度が規定されます。

  • 地面とのコンタクト回数
  • 運動時間とリカバリー時間
  • 両脚か片脚か
  • 台などの高さを利用するか否か

プライオメトリックスの代表例であるジャンプトレーニングでは下記のような参考表があります。

NSCA JAPAN, Volume 17, Number 6, pages 56-59 より引用

今回はヒル・トレーニングへの応用が目的

リディアード式の代表例のヒル・トレーニングのサーキットでは。。。

  • 800mの上り坂を駆け上がる
  • 800mの平坦な道でリカバリー
  • 800mのゆるい坂を駆け下りる
  • 800mの平坦な道の一部でウインド・スプリント

このループを45-60min繰り返すとあります。

仮にスティープ・ヒル・ランニングを例にとると、この歩幅はせいぜい50cm/歩です。

これを800m実施するとコンタクト数は1600回にもなります。

つまり、通常のような高負荷出力は想定していないと思われます。

ランニングにおけるプライオメトリックスは跳躍やスプリントにおけるそれとは少し性質が違うのだと考えられます。

うぅむ、そうなると逆に難しいですね。。。

ヒル・トレーニング後の体の感じ方として下記の記述があります。

  • ふくらはぎがパンパン
  • 膝の裏がバキバキ

また、ヒル・トレーニングには全部で4種目ありますが、それらの組み合わせも違って良いと記載されています。

リディアード式は「個人最適化」をコンセプトの1つとして掲げているので、ここから考えられる私の結論としては下記の通りです。

ヒル・トレーニングの負荷設定方法(持論)
  1. まずは自分の出来そうな時間で試してみる
  2. 翌日、ふくらはぎ・膝裏の筋肉痛がくるかを確かめる
  3. 負荷が少なければ次回は距離or時間を増やす

「まずは試して、自分の体の反応をみて、徐々に鍛えろ!」と本書からはそう読み取れました。

プライオメトリックス実施時の注意点

最後に実施時の注意点についてもまとめておきます。繰り返しですが、高負荷なのでケガには細心の注意を払いましょう。

下記もNSCAジャパン資料からの抽出です。

記載内容からは効果は高いものの、ケガのリスクもそれなりに高いことが指摘されています。

無理な実施方法だけは避けましょう。

プライオメトリックス実施時の注意点
  • 疲労時は行わない
  • 同部位への負荷なら2日連続で実施しない
  • セット間のリカバリーは完全回復まで
  • シューズと着地面は衝撃吸収性が良いもので

まとめ:競技種目・個人レベルにあった設定が肝

自分のレベルに合ったランニングのプライオを見つけることが効率的な競技能力の向上につながりそうです!

この記事を書いているとき、まだヒルトレは1度しか実施していません。

初回の効果は。。。

ふくらはぎの筋肉痛がキターーーーー

ということで設定は悪くなかったようです。

ただ、完全にアスファルトでやったので、ヒル・バウンディングとヒル・スプリンギングは芝生でやりたいというのが感想です。

まとめ
  • プライオメトリックスは筋の弾性と伸張-短縮サイクル(SSC)を利用する運動
  • 筋力・瞬発力・ランニングエコノミーの改善に効果的
  • 競技・自分に合った負荷レベルの設定が鍵
    • 競技に合った:リディアード式で紹介される4つ
    • 自分に合った:試して体の反応で判断

リディアード式のヒル・トレーニングについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

それでは良いランニングライフを!

参考) 特定非営利活動法人NSCA(National Strength and Conditioning Association)ジャパン

NSCAジャパン
特定非営利活動法人NSCAジャパンは、NSCA(National Strength and Conditioning Association)の日本支部です。日本におけるストレングス&コンディショニング(S&C)の指導者の育成や継続教育、研究に裏付けられた知識の普及活動をしています。
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