夏場のランニングでは注意が必要
6月に入ってから急激に暑いですね。早朝に走っても汗ダクです。。。
あなたはランニングで自分がどれくらい汗をかいているかご存知ですか?体の50-60%は水分で構成されていると言われるように、水分量を維持することは健康管理に非常に重要です。
汗をかいた時、適切に水分補給が出来ないと色々な弊害が起きてしまいます。
これをみてもわかる通り、十分に水を飲めばいいという訳ではなく、適切な組成のものを適切な量だけ摂取するということが、体調をキープするために重要です。
じゃあどれくらいが最適なのか。。。ということで、それを知る方法と出来る対策について考えてみましょう!
一般的な発汗量は 15 mL/kg/h
あなたも肌で感じている通り、運動時の発汗量は個人差がかなりあります。数百人規模の研究によれば、下記のような分布になることが報告されています。
平均的な人の場合、15 mL/kg/h。体重60kgの人が1時間運動すると900mLも水分が失われます!
自分の感覚の倍くらいだったな。。。でも、グラフをみて分かる通り中には極端に低かったり、高かったりする人もいますね。
マラソンランナーが実際どれくらい体重を落とすのかを検証している論文もいくつかあるので、それはまた別記事で紹介したいと思います!
自分の発汗量を確認してみる
おおよそ正規分布していますが、やはり個人差はあるもの。自分がどれくらいの運動でどれくらい汗をかいているかは測定しておきたいところです。
測定方法は簡単です。体重計、乾いたタオルがあればOKです。体重測定は脱衣状態で実施し、ランニング後は汗を拭き取って測定します。ランニング時間は普段自分が実施するものにしましょう。
- 排尿後のランニング前体重を測定(A)
- ランニングを実施(時間を測定、T)
- ランニング後の体重を測定(B)
- (体重1kgあたりの発汗量)=(A-B)/(T・A)
これだけです!正確に測定するには、もう少し細かい方法がありますが、後に記載しますが、ざっくりとみておく位で十分です。
ちなみに、私は気温25度での測定値では、19.4 mL/kg/hでした。平均よりちょっと多いんだな。。。
失った分と同じ量を摂取することは必ずしも有効ではない
じゃあ、ここで知った発汗量と同じ量のスポーツドリンクを飲めば完璧ですね!とはならないようです。。。
長い間、失った分と同じ量を補給する「100%交換」が正しいと信じられてきました。しかし、いくつかの研究により、運動中にこの方法を実施すると一定の割合で低ナトリウム血症になってしまうことが報告されています。
つまり、100%交換では水分(たとえスポーツドリンクだとしても)の取り過ぎになりやすい傾向があるのです。ただし、これは運動中の場合で、運動後は出来るだけ元の状態戻すことが推奨されているようです。
これと関連してACSM(アメリカスポーツ医学会)は、2007年から水分補給に関するガイドラインを改訂をしたようです。ちなみに、2014年版では下記のような感じです。(最新版ではありません)
運動前・運動中・運動後で覚えておいて欲しいことは下記の通りです。
- 運動前に尿が少ない時、色が濃い時は水分補給する
- 運動中は体重の2%以上のロスを防ぐこと(諸説ありそうですが)
- 運動後は失った水分と電解質を補給する
自分にあった水分補給戦略を!
調べれば調べるほど奥が深い。。。私としては下記の方法をオススメしたいと思います。
- まずは自分の運動時に失う水分量をざっくりと把握する(初回のみ)
- 基本はスポーツドリンクか経口補水液を!(電解質バランスから)
- 運動前にコップ1杯分くらいの水分は補給してから走る
- 運動中は体のサインを目安に水分補給を判断
- 口や喉の渇きを感じる(タイミングとしては遅いですが。。。)
- 若干ぼーっとする感じが出てきた時
- 同じ強度でも心拍が高くなってきた時
- 運動後はロス分を目安に時間をかけて補給
運動後の水分補給時では、膨満感を感じたり排尿頻度が増える場合、水分を摂取し過ぎている可能性があります。低ナトリウム血症を防ぐため、少しずつ補給しましょう。
これからは暑い日々が続きます。健康を害することがないように、できることは取り入れながらランニングして行きましょう!
それでは、良いランニングライフを!