この記事では、理想のランニングフォームを手に入れるためのポーズ・メソッドについて、そのコンセプトと全体像について学んでいきましょう!
ポーズ・メソッドとは?
一言でいえば、誰にでもあるランニングフォームの原型を習得する方法論です!
ポーズ・メソッドは五輪コーチ経験もあるロシア出身のニコラス・ロマノフ氏により1970年代に確立された方法です。
この方法は、現在でも米軍から各国のナショナル・トライアスロンチームまで様々な場面で活用されています。
科学的な根拠に基づいた成果を基盤としているので、再現性が得られやすいことが要因と考えられます。
ロマノフ氏はこの方法により得られる成果を次のように挙げています。
本記事では、ポーズ・メソッドの全体像と基本的なコンセプトについて私なりの解釈でわかりやすく解説していきます。
こちらに彼の立ち上げたサイトがありますので、興味がある方はどうぞ。
日本語では下記の著書に詳細がまとめられていますので、本気の方は直接手にとってみてください。
トレーニングの基本コンセプト
ここでは具体的なトレーニング内容ではなく、この方法においてどんな考えが根底にあり、重視すべきなのかを見ていきます。
ポーズ・メソッドの根底には次のような考え方があるようです。
誰にでも原型となるランニングフォームがある
ポーズ・メソッドは、世界トップレベルの選手のフォームを分析することで見出されました。
つまり、ランニングフォームを観察した内容を生体力学の観点から解説したものと考えることができます。
そして、これは人体の構造に基づいた体の使い方の話であるため、共通した原型のフォームがあるというのがメソッドの前提です。
ロマノフ氏自身も「新しい走り方を提案したわけではない」としています。
注意が必要なのは、原型は近しいものであっても個人差があるということ。
誰もがキプチョゲ選手のようなフォームになるわけではありません。
ただ、そこには共通した型があり、あなたにもそれがあるという考え方です。
キーワードは、ポーズ・フォール・プルの3つの動作です。
これらの効率を最大限に高めることで、理想の原型に近づきます。
詳細は各項目の中で考察していこうと思いますが、下記は公式のYouTubeチャンネルですので、参考にしてみてください。
ランニングフォーム改善のスキル・練習に特化
ポーズ・メソッドは具体的なドリルを行うことによって、原型となるランニングフォームを習得していく方法です。
いわゆる理論だけではなく、それを実現するためのワークがセットになっています。
理論と実践がセットになった体系的なメソッドは、2020年現在においても一般市民の目にはほとんど触れることがないので、非常に貴重な内容と考えています。
トレーニングの全体の流れ
それではトレーニング全体の流れについて見てみましょう!
大きくは下記の3つのパートで構成されます。
- 10種の理論とワーク
- ランニング・サーキット
- 目的別プログラム
10種の理論とワーク
ポーズ・フォール・プルの3つの動作を最適化するための理論を学び、ワークを実践する場です。
1週間に2〜3つの項目を習得していくことになります。
ロマノフ氏によれば、この間は新しい技術の習得に専念した方が良いようです。
新しい神経回路を作ろうとしているのに、既存の回路で走り続けることは、かえって学習効率を下げる要因になるからでしょう。
ランニング・サーキット
この期間は、上記で培った動きと映像による分析を土台として、理想的なフォームで長く走ることを目的としています。
上記の本の中では短い章ではありますが、実際に体現するには長い期間を要するようです。
目的別プログラム
この期間では、実際のレース距離を想定したトレーニングを組み合わせ、体の変化や対処法などを発見していくプロセスと位置付けられています。
本書の中では取り扱いも少ないので、ここは別の理論を組み合わせるのが良さそうです。
トレーニングに臨む心構え
「走りを五感で感じとること。」これがトレーニング全般において、大切にすべきポイントのようです。
感覚を研ぎ澄ます
ランニングフォームは個人の感覚に依存する部分が大きいです。
それ故、自分自身がそれに敏感になる必要があります。
体重が足裏のどこに乗っているのか、接地の時の足音、呼吸音など。。。
最初は気づかなくても、意識することでより多くの情報を取れるようになると記述されています。
焦らずに自分の感覚に向き合いましょう。
目を閉じたり情報を限定することは1つの方法として有効です。
記録する
目的は、記録という過程を通して課題の発見や新たな気づきを得ることです。
感じたことは、時間と共に消えていきます。
記憶は曖昧なもので、エビングハウスの忘却曲線で有名なように、1時間後には半分以上のことを忘れてしまいます。
自分の変化を後でしっかり考察できるよう記録する習慣を!
感覚を補正する
自分ではカッコよく走っているつもりでも、ガラスに映った姿はあれ?って経験ないですか?
自分でこう動かしているっていう感覚と実際の動きでは全然違うことがあります。
自分の思った通りに体を使いこなす感覚を養う。
そのために映像を使った補正をする必要があります。
目指すべきところは、武井壮さんが言う所のパーフェクトボディコントロールが近いですね!
まとめ:理想のフォーム習得への道を始めよう!
この記事では、ポーズ・メソッドについて、その基本コンセプトと全体像について紹介しました!
道のりとしては決して短くない。。。いや、長いと思います(泣
しかし、一度身につければ一生モノ。
毎年ケガで走れなくなるという方は実践の価値がありと思います!
それでは良いランニングライフを!