ケガで走れない期間は辛いですよね。今回は休養期間と体力低下の関係について調べてみました!
ケガからの回復には安静期間が必須
痛みがある方は、まずはそれを静めることが重要です。
痛みの原因は、局所で起きる炎症によるものと考えらえれます。
体の炎症に対する反応は下記のとおりです。
赤みを帯びたり腫れのある状態ではより症状が重いです。
痛みが数日の休養でなくならない場合、長期化の可能性があります。
少なくとも数週間の休養期間が必要になるかもしれません。
ここで気になるのが、休んでいる間にどれくら体力が落ちてしまうのかですよね。
今回はその点について科学的なデータを元に調べてみました。
運動ができない期間は不安が増大されてしまいますが、現実を受け入れてそれにどう対処していくかを考えることが重要です。
休養期間に起こる体の変化
まずは、どんな所に変化が現れてくるかをみてみましょう。
上記のように、心臓・呼吸器・血管・筋肉への影響が見られます。
また、これらの変化の多くは最初の1ヶ月の間に起きるとされています。
毛細血管密度に関しては、少なくとも12週間では大きな影響がないようです。
どれくらいの期間でどの程度の変化があるのか?
それでは、それはどんな時間経過で変化していくかを見てみます。今回は持久運動能力に関係する指標を中心に紹介します。
ここでは、最大心拍数・心拍出量・最大酸素摂取量についてみてみます。
これらはいずれも、筋肉へ効率的な酸素供給に重要となります。
休養直後からの変化率をみてみると、最大心拍数・心拍出量は初めの2週間で5-10%低下し、その後は横ばいになります。
一方、最大酸素摂取量は初めの2週間で約7%低下し、その後ゆっくりと低下し続けることがわかります。
変化が一定に落ち着くものと、変化し続けるものがあるようですね。
もう1つ、ミトコンドリア機能に関してみてみます。
ミトコンドリアは、酸素がある状態で大量のエネルギーを産生する重要な細胞器官の1つです。
ミトコンドリア機能に関して、4週間くらいのトレーニングで向上した分は、1週間で50%程度、3週間で90%程度低下するようです。
これに関しては低下率が大きいものの、トレーニングでの上昇率も大きいので、すぐに回復する指標と言えるでしょう。
このように持久運動に関連する項目は、最初の数週間で10%程度低下し、その後の変化は緩やかになる場合が多いです。
つまり、ちょっと休んでも数週間休んでも、少なくともこれらについては大きな差はありません。
そうすると、がっつり休んで完全回復した方が得に感じませんか?
*もちろんこれらの指標は総合的に運動機能に影響を与えます。各々の低下率がパフォーマンスにどれくらい影響を与えるかは個人差があります。
低下した体力を取り戻すのにどれくらいの期間が必要か?
これも記録を狙ったりする人にとっては気になるところですよね。
一般的には、休養期間の2倍くらいが必要とされています。
少なくともインターネット情報ではというところです。
しかし、これに関する科学的なデータは見つけることができませんでした。
おそらく、アスリートの経験則に由来していると思います。
上記のミトコンドリア機能指標の変化をみると、最初の1週間で失われる分はおおよそ2週間のトレーニング成果と同等なので、あながち外れていない気もします。
ただし、先に述べたように最初の低下率が大きいので、例えば3ヶ月休んだからといって6ヶ月かかるかは疑問で、もう少し短いかもしれません。
自分の直近の経験では2ヶ月くらい走れなかったあと、2ヶ月のトレーニング期間でフルマラソンの記録更新ができました!
このあたりは運動強度など個人的背景によると思いますが、重要なのはとにかく復帰は慎重にということです。
こちらの記事でわたし自身の経験則を記載しましたので、よかったら参考にしてみてください。
実は休養が記録更新につながることも!?
普段、行わないトレーニングを休養中に取り入れることで、復帰後の記録更新につながるケースもあるそうです。
足の治療院であるRUNARTさんのブログ記事の中でいくつか例が紹介されています。
代表的なのは、バイク・水泳・ウエイト・体幹などでしょうか。
負傷部位に負担をかけない種目を選択することが前提ですが、普段実施していない人にとっては十分な刺激が得られ、逆に記録更新の後押しになります。
こういったトレーニングは、ランニングにおける有酸素効率が最適化されている人ほど効果があると言われています。
代表的な方は、1984年ロサンゼルスオリンピック女子マラソン優勝者のジョーン・ベノイトさんかもしれません。
彼女は、2019年に61歳で3時間5分の記録を残しています。(フルマラソン)
普段から水泳・カヤック・サイクリング・ノルディックスキーなど色々な種目を楽しみながら取り入れていることが、酸素を効率的に利用する土台を作っているのでしょう。
まとめ
まずはしっかり休む。そして、ある程度低下してしまった体力を考慮して復帰していくようにしましょう。焦らずゆっくりとです!
けが期間はストレスがたまると思います。
それは仕方がないことなのかなとわたし自身は考えています。だって、好きなことだから。。。
それだけ好きなことがあるというのは素晴らしいことだと思います!30歳を超えてから特にそう思うようになりました。
なので、あなたもその気持ちを大事にしてランニングを続けていきましょう!
それでは、良いランニングライフを!