今回は少し細かい内容になりますので、先に結論だけお伝えします。興味のある方は下も読んでみてください。
ランニングエコノミーとは。。。
- 定義は「体重1kgあたりの最大下速度における1分間の酸素摂取量」
- イメージとしては、同じ速さを楽に走れる能力
- 様々な要素に影響される(フォームだけじゃない!)
- 簡単に改善するのは難しいので、まずは別のところに注力を!
ランニングエコノミーの定義
最近、色々なところで見かけますが、綺麗なランニングフォームだと効率よく走れるといった文脈で使われることが多くないでしょうか?なんか怪しげなセミナーとかもないですかね。。。
こういった説明が多いので、フォームだけに関わることと思っていたのですが、
実はそれ誤解です!!(自分もこの記事書くまで勘違いしていました)
ランニングエコノミーの定義は下記のようになっております。
つまりランニングエコノミーは酸素摂取量を表すのです。ちなみに最大下と言うのは、ランニングの場合、乳酸が上昇し始める手前の強度を表します。
ランニングエコノミーと持久力の関係
ランニングエコノミーは他の要素とともに持久系の運動能力に影響を与える指標として知られています。
他の2つは、VO2max、乳酸作業性閾値というもので、本題からズレるので簡単にだけ記載しておきます。
最大酸素摂取量(VO2max):体重1kgあたりの1分間における最大の酸素摂取量
乳酸性作業閾値(LT):血中乳酸濃度が急激に上昇し始める運動強度(上図参照)
現在では、これら3つの指標が総合的に関係していることが提唱されています。
ここでランニングエコノミーもVO2maxも酸素摂取量で指標が被ってるじゃんって思った方、鋭いですね!
ランニングエコノミーが表すところは乳酸作業性閾値と関係しますが、下記のグラフでその意味がわかると思います。
このように、ランニングエコノミーは同じ速度をどれだけ楽に走れるかと関係しています。
ランニングエコノミーとトラック競技のタイムの相関も見られています。
ランニングエコノミーに影響を与える要因
それではランニングエコノミーは何に影響されるのか見てみましょう。
分かりやすいところだけ抜き出してみましたが、これだけ見てもあらゆる因子が総合的に作用するものであることが分かります。
ちなみに、フォーム改善はバイオメカニクスの部分に相当しますね。
ランニングエコノミーの改善例
たくさんのものが影響することが分かった訳ですが、どれか1つでも改善すれば、エコノミーも改善するのでしょうか。
こちらの動画内では、いくつかの例について紹介しています。
- トレーニングでポーラ・ラドクリフが VO2maxが同じでもエコノミーを改善
- 適切なピッチでランニングコストを最小にできる(経験の少ないランナー)
- 走行時の上下運動をなくすことでエコノミーを改善できる可能性
動画内でも触れていますが、これらはあくまで一例であり、改善効果も人ぞれぞれと言うことで、素人が思いつきで手を出すようなものでもないのかなと感じます。
ランニングエコノミーとの付き合い方
個人的には、研究の観点では大事な要素とは思いますが、この言葉に踊らされて高額のセミナーとか測定サービスはするべきではないと思います。
理由としては、下記の通りです。
- まず、個人は正確に測定することができない
- 関連する要素が多いので何が影響したか分からない
目的がはっきりしていればこの限りではないですが、「速くなりたい!」という想いは別のところ(練習内容の最適化、ケガをしないためのケア)へ注力した方が結果として良い方向に繋がるかなと考えています。
コンディショニングコーチの野口克彦氏もランニングエコノミーについて記事を書いていますので、こちらも合わせて読んでいただけると理解が深まると思います。
それでは、良いランニングライフを!!