今回はみんなが大好きGarminの予測タイムについて考えてみます!内容はちょっと複雑なので、結論だけという方は目次クリックで飛ばしちゃってください。
Garmin の予測タイムって速くない?現象
いぇーい!Garmin の フルマラソン予測タイムがサブエガ達成だー!って、どの項目見てもこんなに速く走れないよ。。。
って、なったことありませんか?
自分も最初はこの値を信じてましたが、やっぱり速すぎです (笑)
これの何が問題かというと、誤った予測値を使って練習強度の設定をミスってしまう事かと思います。(怪我シチャイマスネ)
この記事では、なんでそんな事が起こるのか、Garmin で適切な予測値を得るにはどういった事が必要なのかについて考えてみたいと思います。
マラソンタイムの予測の方法は?
まずは、どうやって予測値を出しているかの方法が大事ですね!
タイム予測の方法については、モデルによって異なるかもしれませんが、Garmin 245 の製品説明書では下記のように記載されています。
VO2maxと一般公開されているデータソースを基に予測したレースの予想タイムを確認する事ができます。
https://download.garmin.com/jp/download/manuals/ForeAthlete245_OM_JA.pdf
なるほど。では、VO2maxの算出方法と一般的な予測モデルがわかればいいわけですね。
VO2maxは下記のように定義されています。
予測モデルは、世の中的には Carl Foster 氏と Jack Daniels 氏が提唱したモデルで計算されていると思われますが、複数モデルが存在していますので、特定は出来なさそうです。
ちなみに、下記がランナー個々のマラソンタイムとVO2maxと関係です。
この図から、この予測モデルが概ね正確であることがわかります。
これを見るとVO2maxが正確なら予測タイムも大体合うような気はしますね。
ただし注意が必要なのは、同じ VO2max でもタイムが数十分違うケースがあることですね。マラソンには複数の要素が影響するので、考えてみれば当然です。
VO2max の測定方法は?
それでは、次にVO2maxについてみてみましょう!
こちらもまずは製品説明書で探していきます。
VO2 Maxを測定するには、光学式心拍計またはペアリング済みの心拍計(別売り)数回のアクティビティを行う必要があります。測定開始前にユーザープロフィールと最大心拍数を正しく設定してください。
https://download.garmin.com/jp/download/manuals/ForeAthlete245_OM_JA.pdf
VO2max を直接測定するには、最大負荷での酸素消費を測定するしかないので、Garmin では心拍数からの予測値を使うわけですね。
Garmin は Firstbeat 社の VO2max 予測アルゴリズムを使用してるとされています。
以下では、彼らの出しているホワイトペーパー(公式文書)と特許(US20110040193A1)をもとにその中身をみてみます。
このアルゴリズムでは、下の図のように安定したデータを抽出(Firstbeat社の独自技術)した後、実測値(速さと心拍数)から VO2 の理論値を算出して予測モデルを作り、設定した最大心拍数によって VO2max を算出します。
ここで正確性が求められるのは、VO2 理論値を算出する式と最大心拍数となりますので、この部分がキーになっていそうです。
ちなみに、坂道の場合は tangent関数(高校で習ったやつです!笑)を用いて傾斜も考慮に入れた式を利用します。
ちょっと複雑ですが、概ねその方法がわかりました。VO2max予測には複数の仮定が含まれているので正確に反映するのは若干ハードル高めですね。
実際には各セグメント毎で心拍値情報から %VO2max 算出 → VO2max 算出 → 信頼性等を基準に重み付けして補正というステップで進むようです。
ここは数学的な要素がかなり増えるので、ざっくりとした理解で良いでしょう。詳しい内容を知りたい方は、彼らの特許を参照しましょう。
VO2max の正確性をあげるには?
VO2maxを正確に反映させたいですよね。。。可能な限り正確に反映させる方法をみてみましょう!
出来るだけ正確に測ろうとすると、下記の点に注意する必要がありそうです。
- 自分のプロフィール情報は入力する(年齢、体重など)
- 最大心拍数は出来るだけ実測(概算は 220-(年齢)だが不正確)
- 最低でも15分間は走行
- 精度向上のため、心拍数は最大心拍数の75%まで上昇させる
- 繰り返し測定を行い、予測精度を高める
また、この予測には少なくとも5%の誤差が生じると記載があるので、それくらいのブレで考える必要があります。
なんかこうなってくると、あんまりこの数値にこだわらない方が良い感じが(笑)
上記の方法を実施すると、VO2maxはほぼ正確に表示させることが可能となりました!!
私のようにギリギリのサブ3レベルだと VO2max は 63±3.2位で、自分の時計表示は 62 なので結構正しくなりました。
ちなみに Daniels 氏で有名な VDOT は VO2max とは等しい値ではありません。この点はまた今度調べて記事にしようと思います。
これで正確にタイムが表示されるかと思いきや、なんか違う。。。だいぶ遅くなってる!!!(VO2max62 で Full: 3:28:15)
なんでやーーーーーーーーーーーーー
実際にGarminに問い合わせてみた!!
ここまで考えて無理なら販売元に聞くしかありません!!
問い合わせる前に、もう一度、公開されている情報を確認してみます。Garmin 公式ページにこんな記載がありました。
The watch analyzes several weeks of your training data to refine the race time estimates.(時計はレース予測タイムを正確にするため、あなたの数週間分のトレーニングデータを解析します。)
https://support.garmin.com/en-IN/?faq=HUB4yrzJkg1BbgmozWkBm7
どうやら予測には、数週間のトレーニングデータを使用しているようです。
最近、全然ロング走していなくて月間走行距離は 100-120 kmくらいです。これらのトレーニング記録も総合して算出されている可能性があります。
実際に問い合わせてみた内容と回答がこちらです!!
Cooperのモデルは12分間全力走のモデルからタイム予測するものだそうです。検索しても正確に引用元が明記されているものが見当たらなかったので、今度見つけた時に追記します!
色々考えましたが、これで私のオススメを皆さんにオススメできます。。。
ちなみに、ガチ市民ランナーのごっきーさんが似たような記事を書かれていました!こちらの記事も参考になりますので是非ご一読を。
ということで、最後にまとめです!
予測タイムのオススメ利用方法!!
私の結論としては、下記のようになります!
なんだかんだで伸びていることを実感すると、日々のモチベーションアップに繋がるので、気軽な気持ちで取り入れておきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、良いランニングライフを!!